<授業のアウトライン>知識・権力・政治
科学技術と社会との接点において、「公共空間」における意思決定を要する課題(たとえば遺伝子組み替え食品の規制、ヒト胚の実験使用の規制、地球温暖化問題への対処など)が増えてきている。これらの課題に対しては、科学的「知識」がからみ、かつその知識のもつ「権力」とそれ以外の権力機構との関係が問題となる。同時に、科学的知識と政治との境界領域の問題も発生する。
たとえば
<参考>
4S(The Society for Social Studies of Science)のHPより。
科学と技術と社会とのインタフェースに発生する問題について科学技術論、社会学、人類学、歴史学、哲学、政治学、経済学および科学計量学、科学技術政策論などの側面から探求することを目的に設立された専門家集団である。伝統的な専門領域に拘束されずに広く科学技術と社会との間におこる問題群に対して学際的に扱う。知識論、政策論、R&D、技術の使用と発展、科学の公共理解などの研究を対象としている。また科学技術の社会的側面に興味をもつ現場の科学者、技術者、および一般のメンバにも開かれている。
<参考書>
藤垣裕子、廣野善幸編、「科学コミュニケーション論」、東大出版会、2008年
藤垣裕子編、「科学技術社会論の技法」、東大出版会、2005年
藤垣裕子著、「専門知と公共性」、東大出版会、2003年
金森・中島編「科学論の現在」、剄草書房、2002年
<科学技術計画論Uのこれまでの経過>
2000年度:米国ハーバード大学JFK校の講義を参考に『基本論文集』を講読
2002年度:4Sハンドブック(2ndEdition,1995)の輪読
2004年度:4S学会誌2000-2004の原著を輪読。背景知識は日本語の教科書
2006年度:同上
2008年度:4Sハンドブック(3rd Edition,1995)の輪読
<成績判定>
<担当論文報告上の注意>
時間配分:
注意:少なくとも2週間前から準備をすること。前日の徹夜で読み切れる量ではないことを自覚すること。
<最終レポートの課題>
本コースで学んだ内容をより深める、探求する、批判する、あるいは分析概念やツールを応用してみることを最終レポートとする。下記のうちどれか1テーマを選び、A410枚程度で論述する。参考とした文献をレポートの末尾に明記すること。
藤垣裕子
last updated: Apr. 24, 2002